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回路のしくみ

コンデンサの充電と放電 — 時定数 τ = RC と LED の遅れ・残光

第 5 章「コンデンサ」 ·

ElecLab の第 5 章「コンデンサ」で遊ぶことを、図と計算でまとめたページです。コンデンサが電気を貯めるしくみ、貯まるまでの時間を決める時定数 τ = RC、LED を遅れて点けたりスイッチを切ったあとも光らせたりする回路の考え方、電解コンデンサの向きの注意を説明します。

1. コンデンサは電気を貯める

コンデンサは、2 枚の電極の間に電気(電荷)を貯める部品です。貯めた電荷 Q と電圧 V の関係は Q = C × V で、C を容量(単位はファラド F)といいます。第 5 章では 1000µF〜10000µF(0.001〜0.01F)の電解コンデンサを使います。

空のコンデンサは、つないだ瞬間は電線のように電流を通します。電気が貯まって電圧が上がるにつれて電流は減り、電池と同じ電圧になると電流は止まります。図では、はじめ L1 が光り、C1 に 3V 貯まると電流が止まって消えています。

B15VR1150ΩL118.7 mAC11000µF0.00 V−++−+−
はじめ(C1 は空): 電流が流れて L1 が光る
B15VR1150ΩL1C11000µF3.00 V−++−+−
C1 に 3V たまると電流が止まり、L1 が消える

5-1 で見るつなぎ方の例

2. 充電のカーブと時定数 τ = RC

抵抗 R を通して、電圧 V の電池で空のコンデンサ C を充電すると、コンデンサの電圧は次の式で上がっていきます。

コンデンサの電圧 = V × (1 − e^(−t ÷ RC))

R × C を時定数(τ、タウ)といい、R に Ω、C に F を入れると単位は秒です。τ ごとに、残りの差が約 37%(e 分の 1)に縮みます。

時間電池の電圧の何 % まで貯まるか
1τ約 63%
2τ約 86%
3τ約 95%
5τ99% 以上

例: 1kΩ と 1000µF なら τ = 1000 × 0.001 = 1 秒。9V の電池で充電すると、1 秒で約 5.69V、2 秒で約 7.78V まで上がります。容量を 2 倍にしても、抵抗を 2 倍にしても、同じ電圧に届くまでの時間は 2 倍になります。

3. LED を遅れて点ける

LED のすぐ横にコンデンサを並べ(並列にし)、抵抗を通して充電すると、コンデンサの電圧が LED の順方向電圧(赤で約 2V)に届くまで、LED は点きません。電流がまずコンデンサを貯めるのに使われるからです。点くまでの時間は、充電の式から次のように見積もれます。

点くまでの時間 ≈ RC × ln(V ÷ (V − LED の電圧))

例: 5V の電池、220Ω、2200µF なら、τ = 220 × 0.0022 ≈ 0.48 秒で、点くまでの時間は 0.48 × ln(5 ÷ 3) ≈ 0.25 秒。ElecLab では、LED に 5 mA 流れて「光る」になるまでのぶんが少し加わって、約 0.26 秒です。容量が大きいほど、抵抗が大きいほど遅くなります。

4. 放電と残光

電気を貯めたコンデンサは、電池の代わりに電流を流せます(放電)。電池を切りはなしても、コンデンサから LED に電流が流れて、しばらく光り続けます。電圧が下がるにつれて電流も減り、LED はだんだん暗くなります。

C11000µF5.00 VR1150ΩL118.8 mA+−+−
5V ためた C1 が電池の代わりになり、L1 が光る
C11000µF2.40 VR1150ΩL12.5 mA+−+−
しばらくして 2.4V まで下がると、うっすらになる

5-3 で見るつなぎ方の例

放電の電流も、放電の通り道の抵抗と容量の積(時定数)で減っていきます。図の回路(1000µF に 5V、150Ω)なら、はじめ (5 − 2) ÷ (150 + 10) ≈ 18.8 mA 流れ、τ = (150 + 10) × 0.001 = 0.16 秒ごとに約 37% に減ります。5 mA を切って「うっすら」になるのは約 0.21 秒後です。LED 側の抵抗が大きいほどゆっくり放電して長く光りますが、そのぶん暗くなります。LED をコンデンサに直接つなぐと、LED の中の小さな抵抗だけで放電するので、すぐに消えます。

5. 電解コンデンサの向きと定格電圧

容量の大きいコンデンサの多くは電解コンデンサで、+ と − の向きがあります。− 側には帯の印があり、+ を電池の + 側に向けてつなぎます。逆向きにつないだり、定格電圧(第 5 章のものは 16V)をこえる電圧をかけたりすると、中で気体が出てふくらんだり、破裂したりします。ElecLab では、逆向きに 1V をこえる電圧がかかるか、定格電圧をこえると壊れた扱いになります。

C11000µF+−+ 側− 側(帯)
電解コンデンサには向きがある。帯のある側が −

5-1 で見るつなぎ方の例

よくある誤解

τ = RC 秒たつと、コンデンサは満タンになる?
τ で電池の電圧の約 63% です。99% をこえるのは約 5τ(5 × RC)たったころです。
容量が大きいコンデンサほど、高い電圧まで貯まる?
最後に届く電圧は、つないだ電池の電圧で決まります。容量で変わるのは、そこまでにかかる時間と、貯まる電気の量です。
コンデンサは電池の代わりになる?
短い間ならなります(残光のしくみ)。ただし貯められる電気は電池よりずっと少なく、放電すると電圧がどんどん下がります。
電池にコンデンサを抵抗なしでつなぐと壊れる?
電源にコンデンサを直接つなぐのは、電源の電圧を安定させるために実際の回路でもふつうに使う方法です(向きと定格電圧は守ります)。そのときは一瞬で充電されます。時間をかけて貯めたいときに、抵抗を通します。
電解コンデンサはどちら向きにつないでもよい?
いけません。帯のある − 側を電池の − 側に向けます。逆向きにすると壊れます。

第 5 章のステージで確かめる

読んだことを、実際に配線して確かめられます。ブラウザだけで、登録なしで遊べます。

5-1 から遊ぶステージをえらぶ