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回路のしくみ

直列と並列の違い — 電流・電圧・合成抵抗・電力を LED で確かめる

第 2 章「並列と直列」 ·

ElecLab の第 2 章「並列と直列」で遊ぶことを、図と計算でまとめたページです。LED を 2 つ以上つなぐとき、1 列にするか並べるかで、電流と電圧の分かれ方がどう変わるのかを、LED の明るさ(=電流)で確かめます。

1. 直列 — 電流は 1 本道、電圧は分け合う

LED を 1 列につなぐことを直列といいます。電流の通り道は 1 本だけなので、どの LED にも同じ電流が流れ、同じ LED なら明るさもそろいます。そのかわり、電池の電圧を LED どうしで分け合うので、LED の数だけ電圧が必要です。赤い LED 2 つなら、2V + 2V = 4V より高い電池がいります。

B14.3VL115.0 mAL215.0 mA−++−+−
4.3V の電池で LED 2 つを 1 列に: どちらも 15 mA

1-5 で見るつなぎ方の例

1 本道の輪を流れる電流は、輪全体で次のように計算できます。

電流 = (電池の電圧 − LED の電圧の合計) ÷ 抵抗の合計

図の回路なら、(4.3 − 2.0 × 2) ÷ (10 × 2) = 0.3 ÷ 20 = 0.015A、つまり 15 mA です(10Ω は ElecLab の LED の中の抵抗)。電池の電圧が LED の電圧の合計に届かないと、電流はまったく流れません。3V の電池に赤い LED を 2 つ直列にしても、4V に届かないので 2 つとも消えたままです。

2. 並列 — 電圧は同じ、電流は足し算

LED を並べてつなぐことを並列といいます。どの枝(LED の通り道)にも、電池と同じ電圧がかかります。電池から出ていく電流は、それぞれの枝の電流の合計です。図では LED 1 つに 20 mA ずつ、電池からは 40 mA が流れています。

B12.2VL120.0 mAL220.0 mA−++−+−
2.2V の電池に LED 2 つを並べて: どちらも 20 mA

1-5 で見るつなぎ方の例

並列にするときは、LED ごとに抵抗を 1 本ずつ付けるのが基本です。1 本の抵抗を 2 つの LED で分け合うと、抵抗を通れる電流を 2 つで分けることになるので、1 つずつは暗くなります。さらに、実物の LED は 1 個ずつ順方向電圧が少しずつ違うため、分け合うと電流が片方にかたよります(ElecLab の同じ色の LED は性質がまったく同じなので、ちょうど半分ずつに分かれます)。

3. LED の色と順方向電圧

LED は色によって、光りはじめる電圧(順方向電圧)が違います。ElecLab では赤が 2.0V、黄が 2.1V、緑と青が 3.2V で、実物もおおむねこのくらいです。

B12.2VL1赤 20.0 mAL2緑−++−+−
2.2V: 赤は光るが、緑は光らない
B13.4VL1緑 20.0 mAL2青 20.0 mA−++−+−
3.4V: 緑と青も光る

2-4 で見るつなぎ方の例

同じ電池と同じ抵抗でも、順方向電圧が高い緑や青は、抵抗にかかる電圧が小さくなるぶん電流が減り、暗くなります。色ごとに明るさ(電流)をそろえたいときは、第 1 章の式で色ごとに抵抗を計算します。例: 9V の電池で 15 mA くらい流すなら、赤は (9 − 2) ÷ 0.015 ≈ 467Ω なので 470Ω、緑は (9 − 3.2) ÷ 0.015 ≈ 387Ω なので 390Ω。ElecLab で計算すると、赤は 14.6 mA、緑は 14.5 mA と、ほぼ同じ明るさになります。

4. 合成抵抗 — 直列は足し算、並列は小さくなる

抵抗を直列につなぐと、通り道が長くなったのと同じで、合わせた抵抗(合成抵抗)は足し算になります。

直列: R = R1 + R2 + …

並列につなぐと通り道が増えるので、合成抵抗はどの 1 本よりも小さくなります。

並列: 1/R = 1/R1 + 1/R2 + … (2 本なら R = R1 × R2 ÷ (R1 + R2))

同じ値の抵抗なら、2 本の並列で半分、3 本の並列で 3 分の 1 です。たとえば 1kΩ を 3 本並列にすると約 333Ω になります。手元にない値の抵抗も、組み合わせて作れます。

B15VR11kΩR21kΩ−+
直列: 1 kΩ + 1 kΩ = 2 kΩ、電流は 2.5 mA
B15VR11kΩR21kΩ−+
並列: 1 kΩ ∥ 1 kΩ = 500 Ω、電流は 10 mA

2-5 で見るつなぎ方の例

5. 電力 = 電圧 × 電流

電池が 1 秒あたりに送り出すエネルギーを電力といい、単位はワット(W)です。

電力 P = 電圧 V × 電流 I

2 の並列の図の回路では、電池の電力は 2.2V × 40 mA = 88 mW です。同じ LED を同じ電流で光らせるとき、並列では LED の数だけ電池の電流が足し算になりますが、直列なら電池の電流は 1 本ぶんで済みます。電池の電圧が同じなら、直列のほうが電力が少なく、電池が長持ちします(ただし直列には、LED の数だけ高い電圧が必要です)。

抵抗にかかる電圧と電流の積(抵抗の電力)は、光にならずに熱になるぶんです。抵抗の電力が抵抗の定格(よく使う小さな抵抗は 1/4W = 250 mW)をこえないようにも気をつけます。

よくある誤解

並列にすると、電池の電圧が LED の数で分かれる?
分かれません。並列の枝にはどれも電池と同じ電圧がかかります。電圧を分け合うのは直列のときです。
直列の LED は、電池の + に近いほうが明るい?
同じ明るさです。直列の輪は 1 本道なので、どの LED にも同じ電流が流れます。
抵抗を並列に足すと、電流はもっと流れにくくなる?
反対です。通り道が増えるので合成抵抗は小さくなり、電流は増えます。
電池の電圧が高いほど、LED は明るい?
明るさを決めるのは LED の電流です。電圧が高くても抵抗が大きければ電流は小さく、暗いままです。同じ明るさのまま電圧だけを上げると、そのぶん抵抗で熱になる電力が増えます。

第 2 章のステージで確かめる

読んだことを、実際に配線して確かめられます。ブラウザだけで、登録なしで遊べます。

2-1 から遊ぶステージをえらぶ